ギターを混ぜる話

TAB譜をちゃんと書くまでに、譜面以外でのとこの工夫などを記述。


今のところ、僕が作ってる曲では「DOMINO」と「SONAR」「初音ミク」以外のソフトは使ってません(「S&T」「B I L Y」の旧版は除く。あれらは「DOMINO」でMIDI作って「Singer Song Writer試用版」のミキサーでリバーブ等かけて再生してます)

ここで言う「以外のソフト」…ってのは、「VST」「VSTi」と言う、楽器の音だったり、あるいは独自のエフェクトだったりのシンセで。つまりは「他から持ってこないで付属のソフトだけで作ってる」という事

まず、どのパソコンも「MIDI」という規格で「内臓機能でならせる楽器音」が100種以上有ります。DOMINOもSONARもこの音は基本で鳴らせます。

加えて「SONAR HOMESTUDIO 7」には、楽器の音を鳴らすシンセが三つ付属してます。
「TTS-1」という、MIDI規格の音種にある程度沿った上で+α。&各楽器の音質・種類数をバージョンアップしてるもの
「Groove Synth」という、これも100種以上の音を備えているもの
あとは「S I DrumKit」ドラムの音専門で何十種と凝れるもの
(「HOMESTUDIO 7 XL」なら、さらにベース・弦楽器のシンセが付属)

ここではギターに絞りますが
MIDI音源で鳴らせるギター音色

TTS-1で鳴らせるギター音色

Groove Synthで鳴らせるギター音色

新しく他から音源シンセを加えない限りは、この選択内でギターをやりくりする事になります(他の音色−例えばベースなんかを「ギターっぽく使う」という手もありますが)

「やりくり」というのは、例えば「左右でアコースティックギターの音色を鳴らしたい」という時、同じシンセの同じ「Aco Guit」音を使った場合音が混ざってしまうため、それぞれ違うシンセ音源から選んだ方が無難です。
「同じ音でも左右でEQを違う風にかければいいのでは」…と思ってもあんまりうまくいきません。


また「ギター音どうしを混ぜる」という手もあります。例えば「クリーンギター」の演奏トラックをコピーし、そっちの音色を「オーバードライブギター」にして音量を30〜40%にします
僕は、公開した曲の左のほうのギターでこの手法を使ってます。SONARで歪みギター音を使う時はそもそも、用意した音にさらに「Amp sim」というエフェクトをかけるんですが

クランチ(あまり強くないかといって弱くもない歪み。実際には、演奏中の手元の強弱で歪み度を使い分け演出したい時等に使う)程度の歪みを狙う際に、「ただのクリーンギター」音に「歪みエフェクトを弱めに」かけてもうまくいかないので、「ちょっと歪みっぽさが重なってるクリーンギター」の音を使うことにしたのです。


さらに、右側のギターは、左右の使い分けも考えて基本的に「ディストーションギター」を使ってますが、これも更に「Amp sim」で歪みエフェクトをかけた方が、そのままのシンセ音よりよい音になります(かけないで「アンプ効果」だけもできるんですが、歪みかけないと「シンセ音源だけの整った歪み」感が若干気になります)。
ただ、「デイストーション」の音に「Amp sim」の歪みエフェクトをかけるというのは「歪み×歪み」なので、音色の「弦感」が弱くなってしまいます。
これを解決するには、全体、あるいは「弦感」を強調したいアルペジオ奏法のところなどに「クリーンギター」の音色を重ねておく手があります。
「BILY」の右ギターでは、全体に20%程、アルペジオ部に40%程「クリーンギター」の音を混ぜてます。実際の現場では「アルペジオ強調」なんかはエフェクトの切り替えで対応するでしょうが。

ここまでの話はこんな図。「ギターミュート」音も、左右で重なるのをふせぐためTTS-1の「029 000 Muted Gt.」「031 002 DistRythm Gt」を左右で使い分けてます。

さらに応用としては、気づくか気づかないかのレベルでオクターブ上下の音を混ぜてみたり、別の楽器を混ぜたり、色んな発想・手法が有ると思います。

ここまでは「音を混ぜた上でエフェクトをかけてひとつの音として使う」話ですが、本当に「同じ演奏の別種の音を同時に鳴らす」手法もあります。ややこしいですが…たとえばクリーンギターのアルペジオの上に、さらにアコースティックギターの音を重ね録りして鳴らしたり。ディストーションギターのアルペジオと同時に、強調する意味で別のギターを足したり。
MIDIの限られた環境を工夫で対応するためには、色々とチャレンジしてみると面白いでしょう。


ただ、実もフタもなくいえば「カップラーメンの調味料を別ので試す、組み合わせ貧乏グルメ趣味」のような側面もなきにしもあらず。です(汗)
多くの音色を模索できるVST・VSTi導入の方向も有ることは忘れずに。…僕もそろそろ広げてみましょうか…。