コード進行語り・メモ・テンション編

コード進行語り・メモ・類似コードからの続き


テンション・コードとは、基本の三音コード(C=ドミソ、Am=ラドミ、みたいな)に、音を足したりあるいは一部変えたりしたものの事です。その変えた=本来基本コードには無い音をテンションといいます。

ここはもう、実際の音楽用語を使うしかないのですが・・
まず「度」の数え方。数え始める基準の音をまず「1度」と数え五線譜を上に行くたびに度を加える。
ドを基準とすれば、レ=2度 ミ=3度 ファ=4度 ソ=5度 ラ=6度 シ=7度 オクターブ上のド=8度 オクターブ上のレ=9度 です
更に、五線譜に表されていない音(ピアノで「ドレミファソラシ」を弾く時に使われない鍵盤)にも全て区別があり、「長・短」で表されます(長・短を使わないで語る場合、「完全○度」か、基本的に「譜面で特別で無い方の(符号の使われない)音」で解釈)。詳しくはウィキペディア・音程

とりあえず、オクターブ上のドが「8度」を頭に置いてもらうとよいです。そうすると「7度」はドの一つ下なのでシ「9度」はドの一つ上なのでレ(「2度」という言い方はまずしません)です。その他の「度」も、色んな角度から自然と覚えていけます。


まずギター奏法的に一番大事なのは5度パワーコードというやつです。これはもう位置で覚えるのが一番簡単ですが

こう。Eのパワーコード(E5)とCのパワーコード(C5)を囲ませてもらいました。赤が1度(根音)青が5度、緑が8度(これは有ってもなくても同じ「パワーコード」)です。
5度という音は、1度の音と同時に鳴らすと一番優秀に補強し余分な雑味を持たないのが持ち味です。コードというよりも単純に「補強音」だと思ってもらっていいです。
ちなみにこの5度は正確には「完全5度」であって、半音上下にずれると「増5度・減5度」なのですが、これらは一転してとても響きが良くない類に属します(コード名としては「Caugシーオーギュメント」「C(-5)シーフラットファイブ」等)。一応、使われることが無いわけではありませんが、理解したうえでの狙いなしには手をつけない方がいいです。

次に重要なのが「4度(完全4度)」これは、丁度パワーコード(ドに対してのソ)の逆で「ソに対してのド」です。パワーコードを覚えたら、その逆と理解するかあるいは

ギターの指板上での上下(丁度「5度進行」で覚えてもらった関係)の方が手っ取り早いでしょうか。
完全4度は、響きが良い、位置的に覚えやすい&和音が指一本で抑えやすいという以上に「代理コード」として力を発揮します。

例えば「Aのコード(ラ・ド#・ミ)」の行きたがる五度進行先は「Dのコード(レ・ファ#・ラ)」ですが、「A」を「完全4度」を使うテンションコード「sus4」にすると、構成音が「Asus4(ラ・・ミ この「sus」は「3度の音をサスペンド(引き上げ)して4度に」という意味なので、構成音としては3度の「ド#」は消える)」となるため、ラとレが共通するD的響き=代理コードになるのです。

そして、この「sus4」コード変更は、大抵のコードでとてもわかりやすく省エネ。つまり「A→D→A→D」という気持ちの良い五度進行変更のようなものが、ちょっとの労力で弾ける事になってしまう、なんともお役立ちコードなのです。
「コードの変更」としてだけでなく、もっと細かいタイミングで切り替える事により容易くリフへと発展させる事の出来る、とても汎用性の高いコードです。