メモ・番外―ギター未経験者用のDTM豆知識

ギターはわからないけどDTM上で使いたい、という人が抑えておくといいんじゃないかな的なメモ

■市販のスコアのギター・ベースの音階は、基本的に本来の音より1オクターブ高く記譜されている。
恐らく、大抵のスコアブックにはその旨注釈されてますが一応。
つまり、スコアをそのままの音位置でDTM上に写すと高くなっちゃいます。
↓本来の音に基づく記譜位置

ついでに言うと「男性ボーカル」も一オクターブ高く記してあります(ので、ボカロに女性声で歌わせるなら楽譜をそのまま写しても可)。

■「歌BON」や「歌謡曲」の巻末についてるコード指板表を利用
例えば、譜面の都合上コードストローク等で音符が省略されている場合「ギターわからないからどこの音弾いてるかわからない」「Cだからドミソ弾いてるんだろうけど、音符で言うとこのどこのドミソ?」という事になります。これは、専門のギター本を買うより市販のカラオケ雑誌のコード表で済ませるのが安上がりです。

■二音以上ならどんな時でも「ストローク効果」をつける
DTMに普通に音を並べただけでは「ギターの音がするナニカ別の楽器」感がぬぐえない状態になります。
これは、ギターの弦にピックを振り下ろしたり振り戻したり(ストローク)して弾く場合二つ以上の音が完全同時に鳴るという事は構造上ありえないからです(ピックを使わず指で弾くスタイルや、指板上の指技で音を鳴らす場合。奏法でない次元で「特殊な方法」を使った場合等は別―例えば1弦を弾いた音と2弦を弾いた音をそれぞれ独立して録音した後で重ねてCDにしていたり)。
これを解決するには「発音位置がズレたデータ」にする必要があります

DTMソフトによりますが、「ストローク」効果が標準で使える場合も多いです(僕が使っているのはフリーソフトの「DOMINO」)

ここでは大袈裟に「20」で行ってますが、僕個人的には大体「3」で入力してます。
※「ストローク」効果でズラす事で、ストローク中の音符データに隙間が出来たり逆に重なったりのチグハグが出来ます。そういう場合、DOMINOなら「ズレ部分を選択右クリック→一括変更―GATE+20」くらいでわざと全ての音符データを延ばして重ならせた後「イベント→重複ノートのGate一括補正」を使えばキレイに揃います。この補正機能は音符が重ならないで延びてる部分(コード変更や小節終わり)はそのままになってしまうので、余分に延びてしまっていれば「イベント→スライス(切捨て)」
音が切れる時や、コードが切り替わる時は、ストロークと関係なく「抑えていた左手が離れて」起こっているので「音の消え方がずれている」という事はありません。同時です。

この「ストローク反映」にはギター経験が無いとやりにくい部分があって、例えば
「いつ振り下ろして(ダウンピッキング)ていつ振り戻してる(アップ〜)か?」
これは、基本的には「オモテ拍でダウン、ウラ拍でアップ」・・なのですが、全編ダウンのみで弾いたり・とある部分でのみ倍速になったり・倍速どころかドリルにピックつけて弾かせたり(ドリルで弾くと鳴り方は早まりますがダウンアップは無くなる― 回転が一方向だから ―ので、「手の振りが速くなってる」解釈とはまた違ってくる)・アップダウンをわざと通常の逆にする奏法も有ったり(これはほとんど使われませんが)
パワーコード主体でミュート奏法なんかも混ざってたら全ダウンぽいとか、ストロークがずっと一定のシンコペーション混じりなら「オモテダウン、ウラアップ」だろうなとか・・基本のトコも有るんですが、そのなかにちょっとしたイレギュラーが挟まってる場合もありますし、経験者にはその細部が簡単に読み取れても未経験者にはサッパリという事が多々有ります。
そこまで万全を期すと、ライブビデオをつぶさに眺めるか、経験者に聞くか・・、いっそのことギター始めるか