S I Drum Kit 2 というかドラム別録纏め

ドラム別録の覚え書き

まず基本

●0.S I Drum Kitで再生すると、MIDIの状態で聞くよりも、Velocity値増減の振れ幅が大きい模様?クレッシェンド・デクレッシェンド部分の角度差などは、MIDIデータ時にあらかじめ控えめに入力(後でWAVEのエンベローブ編集で対応可)
●1.リバーブは0。コンプもゼロ(コンプがかかる域とかからない域で違いがあからさまになる事がある※)。 ボリュームは通常の録音と同様、演奏の最大音量時でピークギリギリに調整(楽器ごとに)

※・もしかしたらコンプは関係なく、Velocity103と105の間くらいで発音音源データが変わっているのかもしれません。スネアもタムも、その辺りでなにか音自体が切り替わっているような?

●2.楽器は全て中央の状態で録音 タムとシンバルは、目盛りを中央にしてもモノによってはズレているので、耳とボリュームゲージのバランスで確認
●3.録音時のズレが気になる場合は、あらかじめデータの前後(後で編集で消せるほど離れた位置)に使わないタムを一回鳴らす(もちろんこのタムの音量は録音時上げておく)などで確認方法を用意 普通にカーソルスナップ位置を8分くらいにして、MIDIトラックの音符位置に縦線を合わせればいいですね(汗)。たまに録音データが全体で伸びてたり縮んでたりするので(録音直後は合ってても「モノにコンバート」などの加工時に起こることもある模様。この原因の時は「戻る」してリトライでも可)、前方一箇所で合わせた後は後方でも確認してみましょう。


各ドラム楽器録音。モノラル化(これはお好みで)


●4.別々に録音したシンバルとタムは同じトラックに(「このタムは単独でEQ・リバーブ等弄りたい!」と拘る場合は別ですが)

画像の上のトラックはシンバル。右シンバルと左シンバルのWAVEデータ(クリップ)をひとつのトラックに入れている状態です。(1)の緑丸「クリップのPANのエンベローブ」でそれぞれの位置を左右に調整。(2)は、そのままの状態だと左シンバルの音が大きいので「クリップのボリュームのエンベローブ」を下げてあります。
下の、タムのトラックもそこまで同じ状態でしたが、PANや音量の調節を終えて「これでいいかな」という時点で(3)「フリーズ」という機能で、その状態をそのまま反映した1つのステレオトラックにした状態です。「やっぱり位置がもうちょっと違うかな?と思ったら、この「フリーズ」は再度クリックで解除できます
●5.次は、せっかく分けたので各自EQ

左からベース・バスドラム・スネア・シンバル・タム・ハイハット・ライド。
■バスドラ−低音しか要らないので高域をカット。ですが、ネットを見ると「キックユニットがバスドラを叩く音が2000Hz位置に有り、これを発音させるのも重要」と有ったので、そこはキープで「カルデラ湖型」に。左端の低音部分も若干下がってますが、これは元々聴感上聴こえにくく、重要で無い音域だそうなので(逆にわざと引き上げても面白そうですが)
■スネア−曲を全編通して一番目だつドラムなので、元の音をあまり変えない地味な弄り方。低域はバスが担当するので、変にならない範囲でカット。中央なのでボーカル位置とも重なりますが、入ってるボーカル音が元々高音なのでスネアとかぶる程でもない・住み分けできる、と判断して高域の下げは控えめです。
■タム−これも元の音にあまり手を加えず、いらなそうな音域だけカット
■シンバル・ハイハット・ライド−これはバスと逆で低域カット。右端ちょっと前の地点でちょい上げ。これくらい大差がなければ、多少の調整を経て、思い切ってひとつのトラックにまとめてしまってもいいかもしれません。
●6.各自リバーブ
まず、さっきの↑画像でドラムの各トラックにリバーブエフェクト(EQの下。FXという欄のProjec…overb2)が入ってますが、これ自体は本当に控えめのもので

ハイハットトラックのリバーブ
エフェクト前の音源をDryエフェクト後をWetと言うそうですが、それで言うなら霧吹きみたいなもので、「MIX」値なんて7%です。Dryの「リバーブゼロの音の違和感」を消すだけのものです。「PRE DELAY(第一反響音が聞こえてくる時間)」が0なのがポイントで、ここでかけるリバーブは「壁の反響ではない、壁の無い環境で極自然の消えていく残響」のイメージです。


反響についてはこちら「ステレオバス(バスドラムのバスとは違います。ややこしい)」という機能でつけます。「DrumBus」にはバスドラ・スネア・タムなどの低中域群。「DrumBus2」にはシンバル・ハイハット・ライドの高域群が扱われています

DrumBusのリバーブはうってかわって数値も上昇。MIXも100%です−これによって、このバストラックでは「リバーブ音だけ」が扱われます。
加えて、このバストラックにもEQがかけられる・・という事は「リバーブ音の音域加工が出来る」という事です。低域楽器を扱うバスのEQで高域をカットすれば、「低域しかリバーブしない」ように出来るということです。「それって変な音にならないの?」とも思いますが、案外大丈夫です。また、これによって楽器の存在感の上下を補正する事も出来ます(残響が低音中心=下方に位置する)。ドラムセット音で録音し、単体のクリップで扱っているとこれも出来ない事になります(似たような工夫はできますが)。

それでも、全体の統一感が出るかなー?と思って「AllBus」というのも作って全部の音を入れてみたりもしてますが(ただし音量は他のバスより控えめ)。

(●5)の画像で見えますが、どのバスにどれくらい音量を送るか?というのもLEVELで調整できます。バスドラムの音量はキープしたまま響きを抑え目にしたいな、と思ったらここでLEVELを下げればいい。
スネアドラムは、先にもあげたように目立つ・重要な音なので・・更にもう一段階リバーブに凝る事が必要でしょう。ここまでやった後、再度スネアのトラックのリバーブエフェクトに戻って調節しています

「霧吹き程度」を捨てて、各数値をステレオバスにかけるくらいの値(ROOMSIZE=80 PREDELAY=50)やそれ以上に調節(ただし、原音を損ねすぎないようにMIXは=12と控えめ。AllBusに送る音量も下げ)
スネア専用にステレオバスを作るくらいでもいいかもしれません。



ここで出した情報・数値等は理想でも正解でも無いのであしからず(それどころか、どっかで盛大に間違っているかも)。僕もこの先またどんどんいじくり変えるでしょうし。

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